交通誘導警備の「指定道路」に資格者が必須な理由と、配置違反の重すぎるペナルティ
はじめに
工事現場やイベント会場周辺で、交通誘導を行う警備員さん。彼らの交通誘導によって、私たちは安全に通行できます。しかし、特に交通量の多い**「指定道路」での交通誘導**警備には、法律で定められた特別なルールがあります。
今回は、なぜ特定の道路で資格者が必須なのかというその深い理由(趣旨)と、万が一資格者を配置しなかった場合に警備会社が受ける行政処分について詳しく解説します。
1. なぜ指定道路では有資格者が必要なのか?(配置義務の趣旨)
警備業法では、都道府県公安委員会が定める、交通量の多さや構造の複雑さから特に危険性が高いと認定された路線を「指定道路」(資格者配置路線)としています。
この指定道路で交通誘導警備業務を行う際に、交通誘導警備業務1級または2級の**検定合格警備員(有資格者)**の配置が義務付けられているのは、次の3つの重要な目的があるからです。
🛡️ 目的その1:重大事故の徹底的な防止
- 指定道路での誘導は、一瞬の判断ミスが重大な事故につながりかねません。
- 有資格者は、国が定めた厳しい検定をクリアし、交通規制や応急処置、高度な誘導技術といった専門知識と技能を証明しています。彼らを配置することで、未熟な警備員によるヒューマンエラーを防ぎ、歩行者・車両の安全を確保します。
🚦 目的その2:円滑な道路交通の維持
- 幹線道路などで交通の流れを阻害すると、大規模な渋滞を招き、社会生活に大きな影響を及ぼします。
- 有資格者は、交通流を乱さない適切な誘導タイミングや、現場の状況に応じた臨機応変な対応力を備えており、工事の影響による交通の阻害を最小限に抑える役割を果たします。
✨ 目的その3:警備業務の質の標準化と信頼性向上
- 公共の安全を担う警備業務には、一定水準以上の質が不可欠です。
- 有資格者の配置は、その警備会社が法令を遵守し、質の高いサービスを提供できる証明となり、警備業界全体の信頼を守ることに繋がります。
2. 指定道路で資格者を配置しなかった場合の処分
指定道路での交通誘導警備業務において、資格保持者を適切に配置しなかった場合、警備業法に基づき行政処分の対象となります。
具体的な処分は、違反の程度や過去の経歴によって段階的に重くなります。
| 処分の種類 | 内容 | 影響 |
| 指示処分 | 法律違反や業務実施方法の改善を命じられる最も軽い処分。 | 改善報告の提出、今後の交通誘導警備の実施方法が厳しくチェックされる。 |
| 営業停止処分 | 指示処分を繰り返すなど、業務の適正な実施が困難な場合に科される重い処分。 | 停止期間中は、その交通誘導警備業務の全部または一部ができなくなる。 |
| 認定の取消し | 極めて悪質、または再三の指導にもかかわらず改善が見られない場合の最も重い処分。 | 警備業を営むことができなくなり、会社存続に直結する。 |
⚠️ 処分が会社にもたらす影響
行政処分を受けた事実は、通常、管轄の都道府県公安委員会のウェブサイトなどで会社名と共に公表されます。
これは、取引先や発注元からの信用を大きく失うことにつながり、ビジネス上の大きな痛手となります。
まとめ
指定道路での交通誘導警備業務における資格者配置義務は、「単なるルール」ではなく、**「公共の安全を守り、交通を円滑にする」**という警備業務の根幹に関わる重要な規定です。
警備会社は、法令遵守はもちろん、高度な技術を持つ警備員を適正に配置することで、事故のない安全な社会づくりに貢献する義務があります。
