読書感想
「人類と感染症 共存の世紀」
デイヴィッド・ウォルトナー
=テーブス著
片岡夏美訳
(築地書館・2021)
疫学者、獣医師である著者が
世界の様々な場所での実践、
研究を通じて得た、新しい
感染症との付き合い方を提言
するものです。
ウィルス、微生物は、至る
ところにおり、また、人類自身
が微生物の集合体であるという
ことから始まります。そして、
獣医師、疫学者として世界の
人獣共通感染症(SARS,SARS
-COV2等)の最前線に立ち続ける
著者は、感染症の培養器とな
っている工場型畜産、感染症
を運ぶ渡り鳥、ペットまで、
グローバル化した人間社会が
構造的に生み出している新興
感染症への対処方法を提示し
ます。
それは、SDGsにも掲げられ
ているように、貧困の撲滅、
経済成長、教育により、国際
社会でも貧困に追いやられて
いる人々の生活条件改善が、
感染症への対応には必要だと
いうことです。
社会正義というと、理想論
を言っているように感じられ
ますが、それが、感染症への
対応として効果的であり、ま
た、人権尊重に繋がるという
ことを再認識させられます。
是非、ご一読ください。

