日建連と👨🔧 建設キャリアアップシステム(CCUS)
承知いたしました。日本建設業連合会(日建連)が推進する働き方改革と担い手確保の柱の一つである、**「建設キャリアアップシステム(CCUS)」**について、その目的、仕組み、そして建設業界にもたらす具体的なメリットを詳しくご説明します。
👨🔧 建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?
建設キャリアアップシステム (Construction Career Up System / CCUS) は、技能労働者(職人)の能力や経験、保有資格、現場での就業履歴を業界横断的に登録・蓄積し、それらを公正に評価し、処遇改善へと繋げることを目的とした全国統一の仕組みです。
2019年4月に本格稼働が開始され、建設業の未来を担う重要なインフラとして、普及が強く推進されています。
1. CCUSの目的
CCUSの導入は、建設業界が抱える構造的な課題を解決するためのものです。
- 技能労働者の処遇改善: 経験やスキルが給与に適切に反映される仕組みを作り、賃金水準の向上を目指します。
- 若年入職者の確保: 将来のキャリアパスを明確に示すことで、建設業の魅力を高め、若い世代の入職を促進します。
- 現場管理の効率化: 現場の入退場管理や作業履歴をデータ化することで、事務作業の軽減と生産性向上に寄与します。
2. CCUSの仕組み
CCUSは、「カード」「データベース」「レベル判定」の三つの要素で成り立っています。
① 技能者IDカード(ICカード)
- 機能: すべての技能労働者に発行されるICチップ付きのカードです。氏名、顔写真、登録された技能レベルなどが記録されています。
- 運用: 現場に設置されたカードリーダーにこのカードをタッチすることで、いつ、どこで、どれくらいの期間働いたかという就業履歴が自動的にシステムに蓄積されます。
- メリット: 職人さんはこのカード一つで全国どの現場でも共通の履歴を証明できます。
② データベースへの情報蓄積
以下の情報が、技能者一人ひとりに紐づけてCCUSのデータベースに蓄積されます。
- 就業履歴: 現場での作業開始・終了時刻、現場名。
- 保有資格・講習履歴: 玉掛け、足場、各種技能講習などの資格取得状況。
- 社会保険加入状況: 企業が適法に社会保険に加入しているかの確認にも使用されます。
- 健康診断・教育履歴: 安全衛生教育などの受講履歴。
③ 技能レベルの判定(4段階評価)
蓄積された情報に基づき、技能者の経験や能力が客観的に評価され、4段階の「レベル」で認定されます。
| レベル | 評価基準 | 認定される技能者 |
| レベル1 | 経験の浅い者・見習い | 初めて建設業に就業した者など |
| レベル2 | 一人前の技能者 | 経験が豊富で、一定の技術力を有する者 |
| レベル3 | 職長・高度な技能者 | 現場での指導的立場(職長)を担える者 |
| レベル4 | 上級職長・管理者 | 極めて高度な技能を有し、現場全体の管理も担える者 |
このレベルが上がることで、企業は客観的な根拠をもって技能者の賃金や待遇を改善しやすくなります。
3. CCUSがもたらす具体的なメリット
技能労働者にとってのメリット
- 賃金の向上: 自身のスキルや経験が客観的なデータとして証明されるため、その実績に基づいた適正な評価(昇給・昇格)を受けやすくなります。
- キャリアパスの明確化: 技能レベルの目標が明確になり、何を学び、どれだけ経験を積めば次のステップへ進めるかがわかります。
- 移動の自由度向上: どの現場に行ってもICカードをタッチするだけで履歴が記録されるため、転職や移籍をしてもこれまでのキャリアが無駄になりません。
建設企業にとってのメリット
- 信頼性の向上: 技能者が適正に評価され、社会保険に加入していることが証明されるため、企業イメージと信頼性が向上し、入札時の評価にも繋がります。
- 現場管理の効率化: 現場の入場者管理(誰が、いつ、何時間働いたか)がカードタッチで自動的に行われ、手書きによる管理簿作成などの事務作業が大幅に削減されます。
- 適切な人材配置: データベースで技能者の保有資格やレベルを把握できるため、現場の難易度に応じた適切な人材配置が可能になります。
日建連をはじめとする業界団体は、CCUSがすべての建設業者が持続的に発展するための鍵とみなし、登録率100%を目指して普及を強力に推進しています。
