読書感想

「始皇帝の戦争と将軍たち
秦の中華統一を支えた近臣軍団」

鶴間和幸著(朝日新聞出版・2024)

アニメとは、異なる学術的視点で、始皇
帝と、彼を支えた近臣軍団の関係性を見
直せることが、本書の魅力だと思います。

アニメとは、登場人物の設定が異なっ
ているところも、面白いです。

それにしても、始皇帝といえば「独裁者」
とのイメージがありましたが、アニメの
みならず、歴史家の視点からも、それは
間違いであると分かりました。

部下の意見に耳を傾けて、最後は、自分
で判断するという始皇帝の姿勢があれば
こそ、外国出身者が多かった近臣が持て
る力を精一杯出せたのだと思われます。

そして、始皇帝と近臣の強固な関係性は、
彼個人の資質によるもので、後継者には
承継されなかったことが、秦の崩壊に
つながったと感じさせられます。ヒトが
歴史をつくるといえます。

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