なぜ社労士・キャリアコンサルタントが「建設SNS採用」を手掛けるのか?

皆さん、こんにちは。

今日のテーマは、少し意外に感じられるかもしれません。私が専門とする社会保険労務士(社労士)や国家資格キャリアコンサルタントといった「人と組織」の専門家が、なぜ「建設業向けSNS採用コンサルティング」という、一見畑違いに思える分野に力を入れているのか、その深い理由についてお話ししたいと思います。


第1章:表面的な「SNS採用」の先に潜む、建設業界の深い課題

建設業界は、日本の経済を支える重要な基幹産業です。しかし、同時に深刻な人手不足、高齢化、そして若者の「3K」(きつい、汚い、危険)イメージといった、根深い課題を抱えています。

この課題を解決するために、多くの企業が様々な取り組みをしています。しかし、その中でも特に注目されているのが「SNS採用」です。InstagramやTikTokで現場の様子を発信し、若者に「かっこいい」「楽しそう」というポジティブなイメージを伝えることで、応募者を増やそうという動きが活発です。

しかし、私はただ単に「SNSを使えば若者が来る」という単純な話ではないと考えています。

  • 「とりあえずSNSをやればいい」という落とし穴
    • 多くの企業がSNSアカウントを開設しますが、「何を投稿すればいいかわからない」「フォロワーが増えない」「応募に繋がらない」といった悩みに直面します。
  • 短期的なフォロワー数に終わる採用
    • 一時的にバズる投稿があっても、それが企業のカルチャーや働きがいに結びついていない場合、入社後のミスマッチに繋がり、早期離職の原因となります。

ここに、私の専門性が活きる理由があります。表面的なSNSの運用ノウハウだけでなく、その奥にある**「採用のミスマッチ」と「定着」という本質的な課題**を解決するため、私は動いているのです。


第2章:社労士の視点──「採用」の先の「定着」と「労務管理」を見据える

社会保険労務士は、人事労務のスペシャリストとして、企業の「人」に関わる法律や制度を扱います。入社から退職まで、労働者が安心して働ける環境を整えることが使命です。


SNS採用において、この社労士の視点がなぜ重要なのか。それは**「採用はゴールではなく、スタート」**だからです。

  • SNSで伝わる「企業の顔」と現実のギャップ
    • SNSで魅力的な現場風景や人間関係を発信したとしても、実際の労働条件や職場環境が法的に整備されていなければ、どうなるでしょうか。
    • 例えば、「アットホームな職場です」とPRしても、残業代の未払いがあったり、労働時間が適切に管理されていなかったりすれば、それは法律違反であり、入社した労働者はすぐに離職してしまうでしょう。
    • 私の役割は、SNSで発信する魅力的なイメージが、法的に整備された健全な労働環境に基づいているかを確認し、必要に応じて改善策を提案することです。
  • 採用ブランディングの基盤となる労務環境の整備
    • SNSで発信する情報は、企業が労働者に対して約束する「労働条件」の一部になり得ます。私は、その発信内容が労務管理上のリスクをはらんでいないかをチェックします。
    • 例えば、「社員旅行は会社負担!」と発信する際に、その費用が給与として課税対象になるのか、福利厚生費として非課税になるのかといった、細かな法的知識が必要です。
    • 私は、企業の「SNS採用ブランディング」が、労働基準法やその他の関連法規に準拠し、健全な状態で進められるよう、土台作りをサポートします。

つまり、社労士は、単にSNSで人を集めるだけでなく、集まった人材が安心して働き続けられる「強固な土壌」を整備する役割を担っているのです。


第3章:キャリアコンサルタントの視点──「働く意味」と「キャリア形成」を伝える

次に、国家資格キャリアコンサルタントとしての視点です。キャリアコンサルタントの専門分野は、個人のキャリア形成支援です。私は、一人ひとりの「働くこと」に対する価値観やスキル、将来の展望を深く理解し、その人が望むキャリアを実現するためのサポートをします。


この専門性が、建設SNS採用においてどのような価値を生むのでしょうか。それは**「働くことの本当の魅力」を伝える**という点に集約されます。

  • 「かっこいい」の先に潜む、キャリアの本質
    • SNSで伝わる「現場の格好良さ」や「チームの楽しさ」は、多くの若者の心を掴みます。しかし、それだけで入社を決意し、働き続けることは難しいでしょう。
    • 「この仕事を通じて、自分はどんなスキルを身につけられるのか?」「将来、どんなキャリアパスを描けるのか?」といった、将来に対する不安や期待に応える必要があります。
  • 仕事の「やりがい」を言語化する
    • 建設業界の仕事には、地図に残る大きな建造物を作る、人々の暮らしを支えるインフラを整備するといった、他の業界にはない圧倒的な「やりがい」があります。
    • しかし、日々の業務に追われる中で、その本質的な価値を言語化し、SNSで分かりやすく伝えることは簡単ではありません。
    • キャリアコンサルタントは、企業で働く一人ひとりの**「働く意味」**を掘り起こし、言語化するプロフェッショナルです。
    • 現場のベテラン職人さんの「この橋を渡るたびに、娘が『お父さんが作ったんだよ』って言ってくれるのが嬉しいんだ」といった、心からの言葉を引き出し、それを採用コンテンツとして企画・発信することで、若者の心に深く響く「仕事のリアル」を伝えることができます。

キャリアコンサルタントは、単にSNSの投稿内容を考えるだけでなく、企業の持つ潜在的な「キャリア価値」を掘り起こし、求職者に寄り添った形で伝えることで、ミスマッチのない、質の高い採用を支援します。


第4章:社労士・キャリアコンサルタントだからこそ描ける、建設業の未来

私は、表面的なSNSのフォロワー数や応募者数に一喜一憂する採用コンサルティングは行いません。

私が目指すのは、「集客」「採用」「定着」「教育」という採用活動の一連の流れを、一貫してサポートすることです。

  1. 採用活動の「現状把握」と「課題特定」
    • まずは、企業の抱える労務課題や、現場の社員が感じている「働きがい」を丁寧にヒアリングします。
  2. 「SNS採用戦略」の策定
    • ヒアリングで得られた情報をもとに、「どんな人材に、どんなメッセージを、どんなSNSで伝えるか」という戦略を策定します。
  3. 「採用コンテンツ」の企画・制作支援
    • SNSで発信する写真や動画の方向性を決め、働く社員一人ひとりの「キャリアストーリー」をコンテンツ化します。
  4. 「採用後の定着支援」と「労務コンサルティング」
    • 入社後の労務管理や教育制度の設計、キャリア面談の実施など、採用した人材が長期的に活躍できるためのサポートまで一貫して行います。

社労士とキャリアコンサルタントという二つの国家資格を持つ私は、**「法律を守り、人を大切にしながら、人が集まる組織を作る」**という、建設業界の未来に不可欠なミッションを担っているのです。

建設業界が抱える「3K」のイメージを払拭し、若者が憧れる「新3K」(感動、貢献、かっこいい)の業界へ。その変革を、私専門家が「SNS」という現代的なツールを用いて、力強く後押ししていきます。

このブログを読んで、少しでも私の仕事に興味を持っていただけたら幸いです。建設業の皆様、そしてこれから建設業界を目指す若い世代の皆様と共に、より良い未来を築いていきたいと考えています。

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