読書感想

「シンギュラリティはより近く
人類がAIと融合するとき」
レイ・カーツワイル著
(NHK出版・2024)



世間一般では、シンギュラリティ
が到来すると、AIに人間は
仕事を奪われ、終いにはAIに
支配されるような認識があります
が、本書のタイトルは、そんな
悲観論を吹き飛ばしてくれます。

そして、ナノロボットの発展に
より、大脳新皮質へ、ナノロボ
ットを配置することでき、人類
がクラウドと自然と繋がれるこ
とで、人類はAIと協働でき、
思考力(例 10次元のを図形
をはっきり認識して、理論づけ
ができるようになる)を獲得で
きるようになると著者は主張し
ます。


AIは、情報処理の速度を
指数関数的に加速させていき、
これまでの社会を支配していた
希少性、コストといった価値観
を薄くして、情報の量・多様性
が価値をもつ社会を出現させる
という指摘には、目から鱗でし
た。極論すれば、AIにより
情報処理速度が加速される
ほど、これまで人類が縛られて
いた制約から逃れることができ、
るともいえます。本当の意味で、
「情報化社会」が到来すのだ
いえます。AI楽観論が本書で
は展開されています。



ただ、AIには、人類の生活
を向上させるがあると同時に、
悪い面もあります。大事なの
は、AIを市場経済の論理に
任せきりにするのではなく、
社会・文化の価値観を反映した
もの(人道主義・人権尊重)
にしていくことです。そのため
に、市民は、AIのあり方につ
いて、不断の議論を行い、AI
がすべての公益に適うようなもの
となるよう働きかけを行っていく
ことが求められていると考えます。

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