Zoho Peopleを導入する際の経験者向け評価シートのサンプルについて

Zoho Peopleを導入し、採用した経験豊富な技術者・管理職層の能力を適正に評価するための、具体的な評価シートのサンプル(設計のポイント)について解説します。

この層の評価では、**「スキル」「成果」だけでなく、「組織への影響力」「リーダーシップ」**といった定着に不可欠な要素を盛り込むことが重要です。


Zoho People 導入時の経験者向け評価シートの設計ポイント

Zoho Peopleのパフォーマンス管理機能は柔軟性が高いため、以下の3つの主要な評価軸を組み合わせて設計するのが効果的です。

1. MBO(目標管理): 成果と責務の評価(評価比率:40%)

これは、オンボーディング時に設定した具体的なミッションが達成できたかを測る軸です。経験者は「何を成し遂げたか」で評価されることを最も望みます。

評価項目(KPI)具体的な設定例(技術職)具体的な設定例(管理職)
技術的成果(Quick Win)「入社3ヶ月以内に、〇〇工法における原価を5%削減するプロセス改善を提案・実施」「6ヶ月以内に、担当部門の若手社員の定着率を〇〇%向上させる」
目標達成率担当プロジェクトの工期・予算の達成率(目標値100%に対し、実績105%など)。部門全体の売上目標達成率、部門の利益率改善目標
品質・リスク管理担当案件における重大な手戻り件数、安全衛生管理目標の達成度。部門内の事故・コンプライアンス違反件数、リスク報告プロセスの改善。

2. コンピテンシー評価(技術・行動特性):スキルの評価(評価比率:40%)

これは、経験者が持つスキルや、企業内で成果を出すために必要な行動特性を測る軸です。技術者と管理職で重視する項目を分けます。

評価項目技術職向け(技術・専門性)の評価観点管理職向け(リーダーシップ・指導)の評価観点
専門的知識**(技術者)**最新のBIM技術や特定工法に関する知識の深さ、応用力。**(管理職)**部門横断的な技術課題に対する戦略的な解決策の提示能力。
問題解決力予期せぬ現場トラブルに対する迅速かつ正確な判断と、対応策の実行力。ボトルネックを見極め、部門間の対立を解消するための調整力。
指導・育成力経験を活かした若手技術者へのOJTや技術指導の質と頻度。部下に対するキャリアパス設計のサポートと、権限委譲の適格性。
組織への貢献自身の技術をマニュアル化・標準化し、全社的に展開した実績。部門間の連携を強化し、新しい協業体制を構築した実績。

3. バリュー(企業理念)評価:定着と文化への適合(評価比率:20%)

これは、企業の文化や価値観に沿った行動が取れているかを測る軸です。特に中途採用者には、この軸で**「組織文化への敬意」**を促します。

評価項目評価観点(技術者・管理職共通)
プロ意識自身に与えられた裁量権を適切に行使し、期限と品質にコミットする姿勢。
誠実性・透明性評価が透明であるのと同様に、業務上の課題や進捗を正直に報告し、情報共有を徹底しているか。
顧客志向技術的な専門性を、顧客(発注者)の真のニーズに結びつけて提案・実行した実績。

Zoho Peopleでの設定と活用ポイント

  1. ウェイト(比重)の設定: 上記の評価軸ごとに、Zoho Peopleのシステム内でウェイト(例:MBO 40%、コンピテンシー 40%、バリュー 20%)を設定し、自動的に合計評価スコアが算出されるようにします。
  2. 360度評価の活用: コンピテンシー評価の一部(特にリーダーシップや指導力)を、直属の上司だけでなく、同僚や部下からのフィードバック(360度評価)で構成することで、より公平で多角的な評価を実現します。
  3. 目標とレビューの一元化: オンボーディングで設定した初期目標をZoho Peopleに登録し、中間レビュー(3ヶ月・6ヶ月)と最終評価をすべてシステム内で行うことで、**「評価がブラックボックス化」**することを防ぎます。

Zoho Peopleのパフォーマンス管理機能をこのように設計することで、経験豊富な技術者・管理職層のモチベーション維持納得感を高め、早期の定着と戦力化を強力にサポートすることができます。

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