国土交通省の交通誘導警備員に関する資料要約
国土交通省は、公共工事における交通誘導警備員の役割や配置について、いくつかの資料で定めています。主な内容は以下の通りです。
交通誘導警備員の配置基準と役割
国土交通省の「土木工事安全施工技術指針」や「国土交通省告示」では、建設現場の出入口や道路工事など、人や車両の通行に危険が伴う場所には、必要に応じて交通誘導警備員を配置するよう定めています。🦺
主な役割:
- 歩行者と一般交通の優先: 工事車両の出入りに伴う交通事故防止に努め、歩行者や一般車両の通行を優先させる。
- 適切な合図と誘導: 車両や歩行者に対して、手旗や誘導灯を使って明確な合図を送り、安全に誘導する。
- 安全確保: 作業場の出入口、道路上、建設機械の移動・後退時など、危険が生じる可能性のある場所で事故防止に努める。
交通誘導員の確保と対策
近年、交通誘導員の確保が困難な状況を受けて、国土交通省は工期の円滑な施工を確保するための対策を通知しています。
- 地域の実情に応じた協議会: 関係者(建設業者、警備業者、警察など)が連携し、地域ごとの交通誘導員の需給状況を把握し、対策を検討することを推奨しています。
- 自家警備の条件整理: 元請建設企業の社員による「自家警備」についても、その条件を整理し、円滑な確保を図る。
交通誘導警備業務検定
警備業法に基づき、交通誘導警備業務には国家資格である「交通誘導警備業務検定」があります。
- 検定の種類: 1級と2級があり、2級は誰でも受験できますが、1級は2級を取得後、1年以上の実務経験が必要です。
- 配置義務: 都道府県公安委員会が定めた道路で交通誘導警備業務を行う場合、1人以上の検定合格警備員を配置することが義務付けられています。
- 交通誘導員AとB: 国土交通省の資料では、検定合格警備員を「交通誘導警備員A」、それ以外の警備員を「交通誘導警備員B」と区別して表記している場合があります。
交通誘導警備と交通整理の違い
交通誘導と混同されがちな「交通整理」は、以下の点で異なります。
- 実施者: 交通誘導は民間の警備員が行うのに対し、交通整理は警察官や交通巡視員が行います。
- 法的拘束力: 交通誘導はあくまで協力のお願いであり、法的拘束力はありません。一方、交通整理は道路交通法に基づき、法的拘束力があります。