【静岡県・中小建設業社長様】求職者は本当にハローワークから仕事を探しているのか? データで読み解く最新の求職行動
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「求人を出すなら、まずはハローワークに掲載すれば多くの求職者に見てもらえる」
このような考え方は、今でも多くの企業で根強く残っています。
確かに、ハローワークは全国の求人を扱う公的な就職支援機関であり、多くの求職者が利用していることは事実です。しかし、「求人に応募する人のほとんどが、最初にハローワークインターネットサービスを見ている」というイメージは、現在の求職市場の実態とは少し異なっています。
実際には、ハローワークは情報収集の選択肢の一つとして利用されているものの、実際の採用につながる割合は年々低下しています。さらに、求職者の情報収集のスタート地点は、検索エンジンや求人サイト、SNSへと大きくシフトしています。
今回は、厚生労働省や民間調査のデータをもとに、現在の求職者がどのように仕事を探し、企業はどのように採用活動を考えるべきなのかを解説します。
ハローワーク閲覧率を示す公的統計は存在しない
まず押さえておきたいのは、「求人応募者のうち何%がハローワークインターネットサービスを閲覧したのか」という閲覧率を直接示す公的統計はありません。
しかし、以下のようなデータを組み合わせることで、実際の利用状況を把握できます。
- 求職者が仕事探しで利用した情報源
- 採用につながった応募経路
- 企業がハローワークを利用した結果
これらを見ると、「見る人は多いが、採用につながる割合は決して高くない」という現状が見えてきます。
求職者の情報収集源として、ハローワークは今も主要な存在
リクルート・ジョブズリサーチセンターの「求職者の動向・意識調査2023」によると、仕事探しで最も利用されている情報源はスマートフォン向け求人サイトで37.2%でした。
ハローワークはこれに次ぐ主要な情報源であり、Indeedなどの求人検索エンジンと並んで、多くの求職者が利用しています。
つまり、「ハローワークは誰にも見られていない」というわけではありません。現在でも一定数の求職者に利用される重要なチャネルであることに変わりはありません。
ただし、ここで重要なのは、「閲覧されること」と「採用につながること」は別であるという点です。
実際に採用へつながる割合は13.9%まで低下
厚生労働省「雇用動向調査」によると、令和5年(2023年)の中途採用における入職経路は次のようになっています。
- 民間求人メディア・広告:約41.9%
- 知人・縁故紹介:約22.6%
- ハローワーク:約13.9%
特に注目すべきなのは、ハローワーク経由の採用割合が10年前の24.3%から13.9%へと約10ポイント低下していることです。
また、中途採用に限定した別調査でも、ハローワーク経由は19.2%となっており、民間求人メディアや紹介に次ぐ位置付けとなっています。
つまり、ハローワークは依然として重要な採用チャネルではあるものの、以前のように採用の中心とは言えなくなっています。
企業側から見ても、求人の充足率は低下している
企業側の利用状況を見ると、中途採用を行う企業の約7割が「無料で掲載できる」などの理由からハローワークへ求人を出しています。
しかし、近年の分析では、掲載された求人が実際に採用へ結び付く充足率(マッチング率)は約11.6%まで低下しており、過去最低水準となっています。
言い換えれば、掲載された求人のおよそ9割は採用につながらず終了している計算になります。
もちろん、業種や地域、人材不足の状況によって差はありますが、「無料だから掲載する」というだけでは十分な採用成果を得られないケースが増えているのです。
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なぜ「まずハローワークを見る人」が減っているのか
では、なぜハローワークの利用割合が低下しているのでしょうか。
背景には、求職者の働き方や情報収集方法の変化があります。
在職中の転職活動が主流になった
現在は、退職してから仕事を探すのではなく、在職中から転職活動を始める人が多数派です。
失業給付の手続きでハローワークを利用する人は、自然とインターネットサービスも利用する傾向があります。一方、在職中の転職希望者は、転職サイトや転職アプリに登録し、スマートフォンだけで情報収集を完結させるケースが増えています。
そのため、「まずハローワークを見る」という行動は、以前ほど一般的ではなくなっています。
求人検索エンジンが入口になった
Indeedや求人ボックスなどの求人検索エンジンの普及も大きな要因です。
現在、多くの求職者は「営業 求人 ○○市」や「事務 正社員 ○○」とGoogleで検索し、その検索結果から求人を探します。
しかも、ハローワークの求人情報はIndeedなどへ自動連携されているため、求職者本人は「Indeedを見ている」つもりでも、実際にはハローワーク求人を閲覧しているケースも少なくありません。
つまり、「ハローワークインターネットサービスを開く」という行動そのものは減っていても、求人情報自体は別の入口から見られているのです。
スマートフォンとSNSの普及
情報収集の中心がスマートフォンへ移行したことも大きな変化です。
民間求人アプリは検索性や操作性が高く、通知機能やレコメンド機能も充実しています。さらに、InstagramやX、TikTokなどのSNSから企業を知り、そのまま採用ページへ進む求職者も増えています。
特に20〜30代では、ハローワークを自主的に検索するよりも、検索エンジンやSNSを入り口とするケースが一般的になっています。
ハローワークを利用する求職者はどんな人?
現在でもハローワークを積極的に利用する層は存在します。
代表的なのは、
- 離職後に失業給付を受けながら求職活動を行う人
- 地元での就職を希望する人
- 公的支援を受けながら仕事を探したい人
- 比較的高年齢層の求職者
です。
一方で、若手人材や在職中の転職希望者ほど、民間求人サイトや検索エンジン、SNSを利用する割合が高くなっています。
企業が若手や経験者採用を強化したいのであれば、「ハローワークに掲載すれば十分」という考え方では、ターゲットとの接点を十分に確保できない可能性があります。
これからの採用は「複数チャネル」が前提
現在の求職者は、一つの媒体だけを見て応募するわけではありません。
検索エンジンで求人を探し、求人サイトを比較し、企業ホームページやSNSも確認した上で応募先を決めるという行動が一般的になっています。
そのため、採用活動でも複数のチャネルを組み合わせることが重要です。
ハローワークは無料で利用できる有効な採用手段ですが、それだけに依存するのではなく、求人検索エンジンへの掲載、自社採用サイトの充実、SNSによる情報発信などを組み合わせることで、より幅広い求職者へアプローチできるようになります。
まとめ
ハローワークインターネットサービスを「利用する求職者」は現在でも少なくありません。しかし、「ほとんどの求職者が最初にハローワークを見る」という状況ではなくなっています。
実際の採用経路を見ると、ハローワーク経由の入職は全体の13~19%程度で推移しており、民間求人メディアや検索エンジン、SNSなどが採用活動の中心になりつつあります。
つまり、現代の採用活動では「ハローワークか、それ以外か」という二者択一ではなく、「求職者がどこから情報収集を始めるのか」を理解し、複数の接点を設計することが重要です。
採用競争が激しくなる中で成果を上げる企業ほど、ハローワークを活用しながらも、Indeedなどの求人検索エンジン、自社採用サイト、SNSを組み合わせた採用戦略へとシフトしています。求職者の行動が変化した今、企業側も採用チャネルを見直すことが、優秀な人材を確保する第一歩と言えるでしょう。
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