静岡の建設業経営者必読!シルバーウィーク前の今こそ考える、10月の最低賃金改定と「CCUS連動×A4式評価の24段階等級制」

「今年も、とりあえず全員の給料を上げるしかないのか……」

もうすぐシルバーウィークです。

少し仕事を忘れて休みたいところですが、頭の中には「10月1日から最低賃金が上がる」という不安が残っている経営者の方も多いのではないでしょうか。

静岡県の最低賃金は、10月1日から1,154円になります。

さらに国は、将来的に「全国平均1,500円」を目指しています。

人件費だけでなく、材料費も上がっています。さらに、建設業では職人不足も続いています。

利益がそれほど大きくない中小建設会社にとって、最低賃金の引き上げは「給料を上げればいい」という簡単な話ではありません。

会社のお金が足りなくなれば、経営そのものが苦しくなるからです。

そこで今回は、

  • なぜ「全員一律5%アップ」が危険なのか
  • これからの賃金をどう設計すればいいのか
  • CCUSと評価制度をどう組み合わせるのか
  • 社員が「これなら納得できる」と思える評価とは何か

について、できるだけわかりやすく解説します。


1.なぜ「全員5%アップ」が危険なのか?

最低賃金が上がると、

「若い社員の給料も上げないといけない」

「ベテランとの給料の差も考えないといけない」

「だったら、全員5%アップにしよう」

と考える会社もあるでしょう。

しかし、ここには大きな落とし穴があります。

それは、一度上げた給料は、簡単には下げられないということです。

たとえば、社員10人の会社で全員の基本給を5%上げたとします。

その瞬間だけを見ると、

「これくらいなら大丈夫」

と思うかもしれません。

でも、実際には基本給だけではありません。

給料が上がれば、会社が負担する社会保険料なども増えます。

さらに冬のボーナスなども重なると、会社から出ていくお金はかなり大きくなります。

建設業では、

  • 材料費が上がる
  • 外注費が上がる
  • 天候によって工期が変わる
  • 入金まで時間がかかる

など、お金の流れが不安定になりやすい問題があります。

そのため、利益が数%しかない会社が「全員一律で給料アップ」をすると、少しずつ会社のお金が減っていく可能性があります。

そして、もう一つ問題があります。

頑張っている人も、あまり頑張っていない人も同じように給料が上がってしまうことです。

「頑張っても、結局みんな同じなのか」

そう感じた優秀な社員が、もっと評価してくれる会社を探してしまうことも考えられます。

つまり、

「給料を上げないと人が辞める。でも、全員の給料を上げると会社のお金が苦しくなる」

という問題が起こります。

この問題を解決するには、

「会社が最低限守る給料」と「社員の頑張りに応じて増える給料」を分けて考える

ことが大切です。


2.これからは「基本給」と「手当」を分けて考える

これから数年間、最低賃金が上がっていく可能性があります。

そのたびに全員の基本給を上げていくと、会社の負担はどんどん大きくなります。

そこで考えたいのが、**「手当を分ける給与制度」**です。

簡単に言えば、

基本となる給料+頑張りや資格に応じた手当

という考え方です。

たとえば、

基本となる給料

会社として最低限支払う給料です。

最低賃金が上がった場合は、まずここを調整します。

頑張りや資格に対する手当

こちらは、

  • 資格を取った
  • 仕事ができるようになった
  • 難しい仕事を任せられる
  • 後輩を指導できる
  • 現場の改善に貢献した

といった社員の成長や貢献に対して支払います。

こうすることで、

「最低賃金への対応」と「社員の頑張りへの評価」を別々に考える

ことができます。

会社にとっても人件費を管理しやすくなり、社員にとっても「何を頑張れば給料が上がるのか」がわかりやすくなります。


3.CCUSと職務等級制度、どちらを使う?

建設業の給与制度を考えるとき、よく出てくるのが**CCUS(建設キャリアアップシステム)**です。

CCUSは、建設業で働く人の経験や資格などを登録し、キャリアを見えるようにする仕組みです。

CCUSには大きく4つのレベルがあります。

CCUSを基準にするメリット

建設業界で共通して使われている仕組みなので、

「この人はどのくらいの経験や技能があるのか」

を説明しやすくなります。

社員にとっても、

「次のレベルに上がるには何が必要なのか」

がわかりやすくなります。

一方で、CCUSだけでは、

「現場でどれだけ頑張ったか」

「後輩をどれだけ育てたか」

「会社のためにどんな工夫をしたか」

といった部分までは、十分に評価できません。

そこで、もう一つの考え方として職務等級制度があります。

これは、

「どんな仕事をしているのか」

「どれくらい責任のある仕事を任されているのか」

によって給料を決める方法です。

会社にとってはわかりやすい方法ですが、中小建設会社では少し難しい部分もあります。

建設現場では、社員が複数の仕事を担当したり、現場によって仕事内容が変わったりするからです。

そこで、

CCUSで「経験・技能」を見る。

そして、

社内の評価制度で「普段の仕事ぶり」を見る。

この2つを組み合わせる方法があります。


4.A4一枚でできる「わかりやすい評価制度」

評価制度を作るときによくある問題があります。

それは、

「制度を作ったけど、現場の人が使わない」

ということです。

忙しい現場監督に、何ページもある評価シートを書いてもらうのは大変です。

そこで使いやすいのが、A4一枚で評価できる仕組みです。

ポイントは、難しい言葉を使わないこと。

見るポイントは、大きく3つです。


① 成果・品質

まずは、「仕事をきちんとできたか」を見ます。

たとえば、

  • 工期を守れたか
  • ミスややり直しが少なかったか
  • 材料を無駄にしなかったか
  • 無駄な残業や外注を減らせたか

などです。


② 実務・対応力

次に、「現場で自分から動けたか」を見ます。

たとえば、

  • 指示を待つだけではなく、自分で次の仕事を考えられたか
  • トラブルが起きたときに落ち着いて対応できたか
  • 持っている資格や技術を仕事に活かせたか

などです。


③ 安全・仕事への姿勢

最後は、「安全に仕事ができたか」「周りと協力できたか」です。

たとえば、

  • 安全ルールを守ったか
  • 後輩や新人を教えられたか
  • 周りに声をかけられたか
  • あいさつやマナーを守れたか
  • お客様や近所の人にきちんと対応できたか

などです。


5.評価は「S・A+・A・B+・B・C」の6段階

評価を難しくしないために、6段階に分けます。

S:とても優れている

会社の期待を大きく超えている。

仕事だけでなく、安全や後輩の指導などでも、周りの見本になっている。

A+:かなり優れている

任された仕事をしっかりこなし、それ以上の工夫や周りへのサポートもできている。

A:基準どおり

その人に求められている仕事を、安全に、きちんとできている。

基本的には、この「A」が普通の状態です。

B+:あと少し

大きな問題はないものの、仕事の一部にまだムラがある。

もう少し頑張ればAに届く状態。

B:指導が必要

同じ注意を何度も受けるなど、改善してほしいところがある。

C:大きな改善が必要

何度注意しても改善されない、重大なルール違反があるなど、会社としてしっかり対応する必要がある。

大切なのは、

「Aだから普通でダメ」ではない

ということです。

Aは、その人に求められている仕事をきちんとできている状態です。

そこからさらに頑張った人を、A+やSとして評価します。


6.「CCUS 4段階」×「評価6段階」で24段階にする

ここまでの話をまとめると、

CCUS=経験や技能

A4評価=普段の仕事ぶり

という2つの視点を使うことができます。

CCUSが4段階。

評価が6段階。

この2つを組み合わせると、

4×6=24段階

になります。

これが「24段階の等級制度」です。

たとえば、

「資格を取ってCCUSのレベルが上がった」

「給料が上がる」

さらに、

「仕事の品質が高い」

「安全をしっかり守っている」

「後輩を育てている」

「評価が上がる」

「さらに手当が増える」

という流れを作れます。

逆に言えば、

「資格を取ったから自動的に何でも評価される」

というわけでもありません。

資格や経験だけでなく、普段の仕事もしっかり見ることができます。


7.社員が「頑張ろう」と思える会社へ

給与制度で大切なのは、

「会社が何を基準に給料を決めているのか」を社員が理解できること

です。

たとえば、

「資格を取ったら給料が上がる」

「できる仕事が増えたら評価される」

「後輩を育てたら評価される」

「安全に仕事を続けたら評価される」

ということが明確になっていれば、社員も次に何を頑張ればいいのかわかります。

特に若い社員にとって、

「この会社にいれば、これからどう成長できるのか」

が見えることは大切です。

給料をただ一律に上げるだけではなく、

「成長したら、その分だけ評価される」

という仕組みを作る。

それが、これからの建設会社に必要な給与制度の一つではないでしょうか。


8.まとめ――10月を迎える前に、会社の給与制度を考える

シルバーウィークが終われば、10月1日の最低賃金改定がすぐにやってきます。

「今年も全員の給料を上げるしかない」

と考える前に、一度、自社の給与制度を見直してみてはいかがでしょうか。

大切なのは、

最低賃金への対応だけで終わらせないこと。

そして、

社員の頑張りや成長もしっかり給与に反映できる仕組みを作ること。

「会社のお金を守りながら、頑張っている社員もしっかり評価したい」

そんな会社を目指すなら、給与の仕組みそのものを見直すことが、これからの人材不足への対策にもつながります。


📢 連休明け開催!オンラインセミナーのお知らせ

今回ご紹介した給与制度について、もっと具体的に知りたい方に向けて、オンラインセミナーを開催します。

テーマ

「一律昇給による冬のキャッシュ不足を防ぐ!
利益を守りながら若手を惹きつける『スライド式給与設計』とSNS採用」

日時

9月24日(木)・25日(金)
19:00~19:40

40分間のオンラインセミナーです。

参加方法

Zoomで開催します。

顔出しは必要ありません。

耳だけの参加や、移動中にスマートフォンからの参加もOKです。

参加費

無料

申込方法

公式LINEを追加して、メッセージに

「セミナー」

と一言送ってください。

友だち追加

専用の参加リンクをお送りします。

最低賃金が上がることは、会社にとって大きな負担になる可能性があります。

でも、見方を変えれば、給与制度を見直すきっかけにもできます。

連休明けのタイミングで、自社の給与について一度考えてみませんか?