静岡県の中小建設業必見!中堅職人1人を採用する費用はいくら?採用コストの相場と費用を抑える方法
はじめに|経験豊富な職人を1人採用するには、いくらかかる?
建設業を経営するうえで、欠かせないのが現場で働く職人の存在です。
特に、30代から40代で、5年から10年以上の実務経験を持つ中堅職人は、会社にとって貴重な人材です。
中堅職人は、これまでの経験を生かして現場の中心となって働けるだけでなく、若手社員への技術指導や、現場のリーダーとしての役割も期待できます。
しかし、こうした経験豊富な職人を採用することは、簡単ではありません。
静岡県内でも、建設会社同士だけでなく、製造業や他の業種との人材の取り合いが起きています。そのため、求人広告を出しても応募が集まらなかったり、採用できるまでに多くの時間と費用がかかったりするケースがあります。
では、実際に中堅職人を1人採用するには、どのくらいの費用が必要なのでしょうか。
採用方法によって違いはありますが、一般的な目安として、1人あたり50万円から150万円程度を想定しておく必要があります。
もちろん、採用する職種や経験、地域、利用するサービスによって費用は変わります。
今回は、静岡県内の中小建設業が中堅職人を採用する場合の費用相場や、それぞれの採用方法の特徴、採用コストを抑えるためのポイントについて解説します。
1.中堅職人1人を採用するための費用相場
職人を採用する方法には、求人広告、人材紹介会社、自社ホームページやSNS、社員からの紹介など、さまざまな方法があります。
それぞれ費用や特徴が異なるため、自社の採用したい人材や予算に合わせて選ぶことが大切です。
ここでは、主な4つの採用方法を紹介します。
① 人材紹介会社を利用する場合
人材紹介会社とは、企業が求める条件に合った人材を探し、紹介してくれるサービスです。
採用が決まった場合に、企業が紹介会社へ成功報酬を支払う仕組みが一般的です。
中堅職人のように、一定の経験や技術を持つ人材を採用したい場合には、有効な方法の一つです。
費用の目安は、1人あたり120万円から180万円程度です。
多くの場合、採用した人の想定年収に対して30%から35%程度の紹介手数料が設定されています。
例えば、採用する職人の想定年収が400万円の場合、紹介手数料が30%であれば120万円になります。
年収500万円であれば150万円です。
人材紹介会社を利用するメリットは、自社で応募者を探す手間を減らせることです。また、経験や資格など、希望する条件に合った人材を紹介してもらえる可能性があります。
一方で、採用が決まった際の費用が高額になりやすいというデメリットがあります。
そのため、採用予算に余裕があり、できるだけ早く即戦力を確保したい会社に向いている方法です。
② 求人広告や求人サイトを利用する場合
求人広告は、インターネットの求人サイトなどに会社の募集情報を掲載し、応募者を集める方法です。
代表的なサービスとして、Indeedなどがあります。
人材紹介会社と比べると、採用が決まったときに高額な成功報酬が発生しないプランもあり、幅広い人材に会社を知ってもらえることが特徴です。
費用の目安は、1人あたり50万円から100万円程度を想定するケースがあります。
ただし、求人広告は掲載しただけで必ず採用できるわけではありません。
特に中堅職人は、すでに他社で働いている人も多く、転職を考えていても積極的に求人を探していない場合があります。
そのため、求人広告を何度も掲載しても応募が集まらず、結果的に費用がかさんでしまうことがあります。
求人広告を利用する場合は、給与や休日などの条件だけでなく、会社の特徴や働きやすさを具体的に伝えることが大切です。
③ 自社ホームページやSNSを活用する場合
最近では、自社のホームページやSNSを使って、直接応募を集める会社も増えています。
例えば、InstagramやYouTubeなどを活用して、実際の現場風景や社員の仕事の様子、会社の雰囲気などを発信する方法です。
費用の目安は、運用方法や制作内容によって異なりますが、広告費や簡単な制作費などで10万円から30万円程度を想定するケースがあります。
この方法の大きなメリットは、会社の魅力を自分たちの言葉や写真、動画で直接伝えられることです。
例えば、次のような情報を発信すると、求職者が働く姿をイメージしやすくなります。
・実際に職人が働いている現場の様子
・社員同士のコミュニケーションや職場の雰囲気
・資格取得や技術向上を支援する制度
・残業時間や休日、直行直帰などの働き方
・若手社員や中堅社員のインタビュー
こうした情報を継続して発信することで、会社に興味を持つ人が増え、直接応募につながる可能性があります。
ただし、SNSは始めてすぐに応募が集まるとは限りません。継続的に情報を発信し、会社の認知度を高めていく必要があります。
長い目で見て採用費用を抑えたい会社に向いている方法です。
④ 社員紹介制度(リファラル採用)を活用する場合
リファラル採用とは、現在働いている社員から知人や友人を紹介してもらい、採用につなげる方法です。
建設業では、同じ業界で働く職人同士のつながりがあるため、社員からの紹介が採用につながることもあります。
例えば、現在働いている職人が、以前一緒に仕事をした仲間や知人を会社に紹介するケースです。
採用費用の目安は、1人あたり10万円から30万円程度です。
紹介してくれた社員に対して、5万円から20万円程度の紹介手当を支給する方法などが考えられます。
この方法のメリットは、求人広告や人材紹介会社にかかる費用を抑えやすいことです。
また、紹介する社員が会社の仕事内容や職場の雰囲気を理解しているため、入社後のミスマッチを減らせる可能性もあります。
ただし、社員から紹介があれば必ず採用するということではありません。
紹介された人についても、経験や能力、本人の希望などを確認し、通常の採用と同じように判断することが大切です。
2.採用方法別の費用を比較してみましょう
ここまで紹介した4つの採用方法を、費用の目安と特徴で比較すると次のようになります。
| 採用方法 | 1人あたりの費用目安 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 人材紹介会社 | 120万~180万円 | 経験者を紹介してもらえる。採用費用は高め |
| 求人広告・求人サイト | 50万~100万円 | 幅広い人材に募集を知らせられる |
| 自社HP・SNS | 10万~30万円 | 会社の魅力を直接発信できる。継続的な運用が必要 |
| 社員紹介制度 | 10万~30万円 | 社員の人脈を活用でき、費用を抑えやすい |
※上記は採用方法を比較するための参考目安です。実際の費用は、利用するサービス、広告の掲載期間、制作内容、採用する職種や地域などによって変わります。また、自社の人件費や採用担当者の作業時間などは含まない場合があります。
大切なのは、単純に費用が安い方法を選ぶことではありません。
自社が必要としている人材を、どのような方法で採用するのが効果的なのかを考えることです。
3.静岡県内の建設業で中堅職人の採用が難しい理由
静岡県内の中小建設業では、地域によっても採用環境が異なります。
特に静岡市周辺の中部地域や、浜松市・磐田市などの西部地域では、建設会社だけでなく製造業なども人材を募集しています。
そのため、経験豊富な職人を採用したい場合、同じ建設業の会社だけでなく、他の業種とも人材を取り合うことになります。
また、中堅職人はすでに仕事の経験を積んでいるため、転職先を選ぶ際にもさまざまな条件を確認します。
例えば、次のような点です。
① 給与や待遇
これまでの経験や技術を正しく評価してもらえるかどうかは、転職を考えるうえで重要です。
資格や経験に応じた給与体系、昇給の仕組みなどをわかりやすく伝える必要があります。
② 残業時間や休日
建設業では、工期や現場の状況によって残業が発生することがあります。
しかし、現在は仕事と生活のバランスを重視する人も増えています。
残業時間や休日の取り方、2024年4月から建設業にも適用された時間外労働の上限規制への対応などを、求職者に具体的に伝えることが大切です。
③ 職場の人間関係
給与や休日の条件が良くても、職場の人間関係に不安があれば、応募をためらう人もいます。
社員同士がどのように協力して仕事を進めているのか、若手や中堅社員がどのように活躍しているのかなど、職場の雰囲気を伝えることも重要です。
④ 会社の将来性やキャリアアップ
中堅職人は、これから先も自分の技術を生かして働ける会社かどうかを考えています。
資格取得の支援や技術研修、将来の現場責任者への登用など、入社後の成長につながる仕組みがあると、会社の魅力を伝えやすくなります。
4.中小建設業が採用費用を抑えるための4つのポイント
採用費用を抑えるためには、求人広告の掲載回数を減らすだけでは十分ではありません。
応募につながる仕組みをつくり、採用した社員が長く働き続けられる環境を整えることが大切です。
ここでは、取り組みやすい4つの方法を紹介します。
① 自社ホームページを採用に活用する
会社のホームページに採用専用のページをつくり、仕事内容や給与、休日、福利厚生などを掲載しましょう。
さらに、実際に働いている社員の声や現場の写真などを掲載すると、求職者が会社の雰囲気を理解しやすくなります。
求人サイトだけに頼らず、自社のホームページから直接応募できる仕組みを整えることも重要です。
② SNSで会社の魅力を発信する
SNSは、普段求人情報を見ていない人にも会社を知ってもらえる方法です。
現場での仕事風景や社員の紹介、資格取得の様子などを定期的に発信してみましょう。
特に動画は、文字だけでは伝わりにくい職場の雰囲気や仕事の魅力を伝えるのに役立ちます。
無理に多くの投稿をする必要はありません。まずは月に数回など、続けられるペースで始めることが大切です。
③ 社員紹介制度を整える
現在働いている社員に、知人や友人を紹介してもらう制度をつくることも効果的です。
紹介手当などのルールを明確にし、社員が安心して紹介できる仕組みを整えましょう。
ただし、紹介制度を成功させるためには、社員自身が「この会社で長く働きたい」と思える職場であることが大切です。
④ 採用後の教育やキャリア支援にも取り組む
採用活動では、1人を採用するまでの費用だけでなく、採用した社員がどれくらい長く働いてくれるかも重要です。
せっかく高い費用をかけて採用しても、短期間で退職してしまえば、再び採用活動を行わなければなりません。
そのため、入社後の教育や定期的な面談を通じて、社員の悩みや希望を把握することが大切です。
例えば、セルフ・キャリアドックを導入すれば、社員が仕事について感じていることや、将来どのような技術を身につけたいのかを話し合う機会をつくれます。
社員一人ひとりの成長を支援することは、仕事への意欲を高め、長く働き続けられる職場づくりにもつながります。
5.採用費用だけでなく、採用後の定着率も考えましょう
中堅職人を採用する際には、どうしても採用にかかる費用に目が向きがちです。
しかし、本当に大切なのは、採用した人材が会社で活躍し、長く働き続けてくれることです。
例えば、100万円をかけて採用した職人が数か月で退職してしまった場合、会社には大きな負担が残ります。
一方、採用にかかった費用が多少高くても、入社後に能力を発揮し、若手社員の育成にも貢献してくれれば、会社にとって大きな価値があります。
そのため、採用活動では次の3つをセットで考えることが重要です。
・必要な人材を採用すること。
・入社後に能力を発揮できる環境を整えること。
・社員が将来の目標を持って働き続けられるように支援すること。
採用活動と人材育成を別々に考えるのではなく、一つの流れとして取り組むことが、これからの中小建設業には求められています。
まとめ|採用費用を見直し、人が集まり長く働ける建設会社へ
静岡県内の中小建設業にとって、経験豊富な中堅職人の採用は、会社の成長や現場の安定を支える重要な取り組みです。
しかし、人材紹介会社や求人広告などを利用すると、採用方法によっては1人あたり100万円を超える費用がかかる場合もあります。
そのため、採用にかかる費用を把握し、自社に合った採用方法を選ぶことが大切です。
自社ホームページやSNSを活用した直接採用、社員紹介制度などを取り入れれば、採用費用を抑えられる可能性があります。
さらに、採用した社員が長く働き続けられるように、教育やキャリア支援にも力を入れる必要があります。
これからの建設業では、単に人を採用するだけでなく、社員を育て、定着させることが会社の大きな強みになります。
採用費用を抑えることと、社員が長く働ける職場をつくること。この2つを一緒に進めることが、静岡県内の中小建設業の将来を支える大切な一歩です。
