【静岡県の中小建設業社長様へ】建築ブロック工事の未来を守るCCUS

|職人の技術を適正な評価と会社の利益につなげる

静岡県で建設業を営む経営者の皆様、日々の経営、本当にお疲れ様です。

建設業を取り巻く環境は、大きく変化しています。

材料費や燃料費の上昇、最低賃金の引き上げ、人手不足、若手職人の採用と育成など、中小建設業の経営者が考えなければならない課題は少なくありません。

特に、建築ブロック工事や外構・エクステリア工事を手がける専門工事業では、現場で働く職人の技術が会社の品質を左右します。

ブロック塀や土留め、フェンス、門扉、アプローチなどは、建物や敷地の安全性、使いやすさ、見た目の美しさに関わる重要な工事です。

しかし、熟練職人の技術や経験が、必ずしも工事単価や給与に十分反映されているとは限りません。

「技術には自信があるのに、価格競争から抜け出せない」
「若手を育てたいが、人件費や教育費を確保する余裕がない」
「職人の頑張りを、どのように評価すればよいのかわからない」

このような悩みを抱えている経営者もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、これからの建設業経営で知っておきたい仕組みが、**CCUS(建設キャリアアップシステム)**です。

CCUSを上手に活用すれば、職人の経験や資格、技能を見える化し、人材育成や処遇改善、元請け企業への技術力の説明に役立てることができます。

今回は、静岡県の中小建設業の経営者様に向けて、建築ブロック工事とCCUSの関係を、4つのポイントから解説します。


1.職人の技術を見える化する「CCUS」と能力評価

まず、CCUSとは何でしょうか。

CCUSは、建設業で働く技能者の資格、就業履歴、経験などを登録・蓄積し、技能者の能力を適切に評価するための仕組みです。

簡単に言えば、職人がどのような資格を持ち、どれだけ現場を経験し、どのような能力を身につけてきたのかを確認するための基盤です。

例えば、ブロック積みを長年経験している職人がいたとします。

その職人は、ブロックを正確に積む技術だけでなく、現場の状況に応じた判断力や、作業を安全に進めるための知識も身につけているかもしれません。

さらに、後輩への指導や作業全体の管理まで任されている場合もあるでしょう。

しかし、初めて取引する元請け企業に対して、こうした実力を短時間で伝えるのは簡単ではありません。

CCUSに登録された情報や、所定の基準に基づく能力評価を活用すれば、技能者の経験や資格などを客観的に説明するための材料になります。

建設業では、職種ごとに定められた能力評価基準に基づき、技能者をレベル1からレベル4までの4段階で評価する仕組みがあります。

一般的なイメージは、次のとおりです。

レベル1:初級技能者

建設業で働き始めた段階です。基本的な作業を学び、先輩職人の指導を受けながら経験を積みます。

レベル2:中堅技能者

一定の経験や資格を身につけ、担当できる作業の幅を広げていく段階です。

レベル3:職長クラスの技能者

高い技能と経験を持ち、現場で仲間をまとめたり、作業の進行や安全を管理したりする役割も担います。

レベル4:高度な技能を持つ熟練技能者

豊富な経験や高度な能力を備え、現場の中心として活躍する技能者を目指す段階です。

ただし、すべての職種で同じ資格や経験年数が求められるわけではありません。実際の判定条件は、職種ごとの能力評価基準によって異なります。

そのため、建築ブロック工事やエクステリア工事に携わる技能者についても、対象となる職種や評価基準を確認することが大切です。

経営者にとって重要なのは、CCUSを登録して終わりにしないことです。

社員がどのような資格を持ち、どのような経験を積み、次に何を目指すのかを把握することが、人材育成の第一歩になります。

職人の能力を見える化することは、会社の技術力を見える化することでもあるのです。


2.価格競争から抜け出すために、技術力を適正な工事単価につなげる

建築ブロック工事や外構工事では、見積金額を比較され、価格の安さを求められる場面があります。

もちろん、無駄な経費を減らし、効率よく施工する努力は必要です。

しかし、価格を下げることばかりを優先すると、必要な人件費や安全対策費まで削ることになりかねません。

その結果、職人の待遇が悪化したり、若手を育てる余裕がなくなったりすれば、会社の将来にも影響します。

そもそも、ブロック工事は材料を積み上げるだけの仕事ではありません。

施工する場所の条件を確認し、基礎や排水、地盤、周囲の状況などを考慮しながら、適切な方法で工事を進める必要があります。

特に、土留めや高さのあるブロック塀などでは、安全性への配慮が欠かせません。工事の内容によっては、関係する基準や構造上の条件を確認し、必要な設計・施工上の対策を取ることが求められます。

外構工事では、仕上がりの美しさだけでなく、耐久性や使いやすさも重要です。

こうした品質を支えているのが、職人の知識と経験です。

そこでCCUSや技能者の資格・経験に関する情報を活用し、会社が持つ技術力を元請け企業や発注者に説明できれば、価格以外の強みを伝えやすくなります。

例えば、次のような点です。

・必要な資格や経験を持つ職人が在籍している
・現場を管理できる人材がいる
・技能者の育成や資格取得を支援している
・施工品質や安全管理の向上に取り組んでいる

こうした情報を、施工実績や見積書の根拠と組み合わせて説明することで、会社の強みをより具体的に伝えられます。

もちろん、CCUSに登録すれば自動的に工事単価が上がるわけではありません。

実際の価格交渉では、施工実績、品質、工期、安全管理、必要な人員、材料費、現場条件なども重要です。

しかし、自社の技術力を客観的に説明できなければ、その価値を相手に理解してもらうことも難しくなります。

安さだけで選ばれる会社から、技術と信頼で選ばれる会社へ。

そのための取り組みの一つとして、CCUSを活用してみてはいかがでしょうか。


3.最低賃金の引き上げに対応しながら、会社の資金繰りを守る

中小建設業の経営者にとって、人件費の管理は重要な経営課題です。

最低賃金の引き上げや物価高騰によって、会社が負担する費用は増加しやすくなっています。

一方で、受注価格をすぐに引き上げられるとは限りません。

売上が大きく増えていないのに人件費や材料費が上がれば、利益が減り、会社の資金繰りが苦しくなる可能性があります。

では、どう対応すればよいのでしょうか。

大切なのは、法令を守りながら、職人の成長や役割に応じた評価制度を整えることです。

例えば、社内の評価項目として、次のような点を整理します。

・取得している資格
・現場経験や施工実績
・対応できる工事の範囲
・施工品質や安全意識
・後輩を指導する能力
・職長として現場を管理する能力

こうした項目をCCUSの情報や能力評価と組み合わせることで、社員の成長を把握しやすくなります。

さらに、社内の賃金制度と適切に連動させれば、資格取得や技能向上を給与、手当、役職などに反映する仕組みを検討できます。

例えば、基本的な作業を身につけた職人と、難しい施工を任せられる職人、現場全体を管理できる職長では、求められる能力や責任が異なります。

その違いを評価制度に反映すれば、社員にとっても「何を身につければ評価されるのか」がわかりやすくなります。

若手職人にとっては、資格取得や技能向上に取り組む目標が生まれます。

熟練職人にとっては、これまで積み重ねてきた経験や後輩指導などの役割が評価される仕組みにつながります。

ただし、給与をCCUSのレベルだけで機械的に決めるのは適切ではありません。実際の仕事、責任、会社の賃金規程、本人の能力なども踏まえて制度を設計する必要があります。

また、最低賃金などの法令上の義務は、必ず守らなければなりません。

資金繰りが厳しいからといって、必要な賃金の支払いを後回しにすることはできません。

経営者には、原価管理や適正な見積もり、受注価格の見直し、業務の効率化などを通じて、必要な人件費を確保できる経営体制を整えることが求められます。

ここで考えたいのが、職人の待遇改善と会社の資金繰りを、別々の問題として扱わないことです。

職人が成長し、技術力が高まり、その価値が適正な受注価格に反映されれば、会社が人材育成や処遇改善に取り組むための土台も強くなります。

もちろん、CCUSだけで利益が増えるわけではありません。

しかし、技能者の成長を会社の強みとして活用することは、長期的な経営を考えるうえで大切です。


4.経営事項審査や元請け企業からの信頼向上につなげる

建設業を営む会社にとって、元請け企業や発注者から信頼されることは、安定した受注を目指すうえで重要です。

公共工事への参加を考える場合には、「経営事項審査」、通称「経審」が関係します。

経審は、建設業者の経営状況や技術力などを評価する制度で、公共工事の入札参加資格に関係します。

そのため、経営者としては、技能者の資格や育成状況が会社の評価にどのように関係するのかを理解しておく必要があります。

ただし、CCUSのレベル3やレベル4の技能者が在籍しているだけで、必ず経審の点数が上がるわけではありません。

実際の評価は、制度で定められた項目や条件に基づいて行われます。CCUSに関係する評価項目についても、申請時点の最新の基準を確認することが必要です。

一方、公共工事に限らず、元請けゼネコンやハウスメーカー、地域の工務店などとの取引においても、技能者の育成や施工体制を整えることには意味があります。

例えば、現場を任せられる職長がいること、必要な資格を持つ職人がいること、安全管理や品質管理に取り組んでいることは、会社の信頼性を説明する材料になります。

静岡県内で地域に根ざした建設業を続けていくためには、地元の取引先との信頼関係を築き、施工品質を維持し、必要な人材を確保していくことが重要です。

そのためにも、技能者の情報を整理し、会社として人材育成に取り組む姿勢を示すことは、将来に向けた経営の基盤づくりになります。

人材を育てることは、単に人手を確保することではありません。会社の技術力と信用を、将来にわたって守ることなのです。


まとめ:CCUSを、職人と会社の未来を守る仕組みに

建築ブロック工事や外構工事を手がける中小建設業にとって、CCUSは単なる入場管理のためのカードではありません。

職人の資格や経験を記録し、技能を見える化し、人材育成や処遇改善につなげるための基盤です。

経営者がCCUSを活用する際には、次の4つを意識してみてください。

① 職人の技術と経験を把握する。
資格や就業履歴などを確認し、社員一人ひとりの成長を支援する。

② 自社の技術力を取引先に伝える。
技能者の能力や施工実績を整理し、適正な工事単価を目指す。

③ 評価制度と賃金制度を整える。
法令を守りながら、資格取得や技能向上、責任ある役割を適切に評価する。

④ 会社の信頼と将来の受注につなげる。
施工体制や人材育成の取り組みを見直し、元請け企業や発注者から信頼される会社を目指す。

大切なのは、CCUSに登録すること自体をゴールにしないことです。

登録した情報を人材育成にどう活用するのか。職人の技術をどう評価するのか。その技術の価値を、どのように受注価格や社員の待遇に反映させるのか。

こうした点を会社全体で考え、具体的な仕組みにしていくことが重要です。

建築ブロック工事や外構工事は、建物や街並みを支える仕事です。

一つひとつの施工を丁寧に積み重ねる職人の技術が、安全性と美しさを生み出します。

その技術を正しく評価し、次の世代へ引き継いでいくことは、専門工事業の未来を守ることにつながります。

職人を大切にすること。技術の価値を正しく伝えること。そして、会社が安定して利益を確保できる経営を目指すこと。

この3つを結びつけることが、これからの中小建設業に求められる経営の姿ではないでしょうか。

静岡県で地域の建設業を支える経営者の皆様も、ぜひ自社の人材育成や評価制度を見直し、CCUSを会社の成長に活かしてみてください。

職人の成長が会社の力になり、会社の成長が職人の未来を支える。

そんな好循環を、一歩ずつつくっていきましょう。

※CCUSの職種別能力評価基準、カードの色、必要な資格・経験、経営事項審査の評価条件などは、対象職種や制度の改定によって異なる場合があります。実際に導入・運用する際は、関係機関が公表する最新情報をご確認ください。